ボランティアはキャリア形成に好影響を与えるという話

こんにちは!
調布みつぎの築山です。

唐突ですが、皆さん「ボランティア活動」をやったことはありますか?
改めて確認するまでもないですが、ボランティア(volunteer)は、自発的な奉仕活動のことを意味します。


出典:リクルートワークス研究所「【提言】個人のキャリアを豊かにする企業の社会貢献活動-社員ボランティア2020をレガシーに-」

こちらのグラフを見ると、公務員・団体職員や、学生の方の参加率が比較的高い一方、社会の大多数を占める民間の会社員の参加率が低いのが見て取れますね。

それでも、東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨災害など、近年相次いでいる大規模災害の際に、「災害ボランティア」の動きが見られたり、来年2020年に控えている東京オリンピックのボランティアを募集したりと、その活動は多岐にわたり、一般化しています。
近所のゴミを拾う、道に迷っている人を案内してあげるなど、それらももちろん立派な「ボランティア活動」と言って差し支えないと思います。

「ボランティア活動」が、何となく良い行為であることは、世間一般にも認識されているかと思いますが、最近の研究成果により、それが個人のキャリア形成に大変良い影響があるということが分かり始めています。
今日は、ボランティアとキャリアの関係について考えてみたいと思います。

まずは以下に新聞記事を紹介します。

平成の30年間はボランティア活動の担い手の顔ぶれにも変化があった。主婦や学生に加え、会社 勤めの人の参加が増えたことだ。企業の被災地支援がきっかけになった場合が多い。
(中略)
「ボランティア活動は自分のキャリアを自分の力で切り開く第一歩になる」。3月、社員ボラン ティアの意義をリポートにまとめたリクルートワークス研究所の中村天江主任研究員はそう話す。
転身や定年後を考える契機にもなるだろう。「第二の人生」を豊かに。平成は、会社員が自ら動き 始めた節目の時期でもあった。

(2019年4月13日 日本経済新聞 朝刊コラム 「春秋」より一部抜粋)

文中に紹介のあった、リクルートワークス研究所の中村さんの講演を、2月に拝聴した機会がありました。その中でのお話と、上記のリポートを踏まえ、要点を以下にまとめます。

(参考資料:リクルートワークス研究所「【提言】個人のキャリアを豊かにする企業の社会貢献活動-社員ボランティア2020をレガシーに-」
http://www.works-i.com/research/olympic.html


・人生100年時代、将来のキャリアに展望を持てるのはどのような人か…
自身とコミュニティとの関わりについて調査を行ったところ、次のような結果が出た。

 最もキャリア展望が高いもの:「ボランティア・NPO」
 最もキャリア展望が低いもの:「同じ部署の同僚」

出典:リクルートワークス研究所「【提言】個人のキャリアを豊かにする企業の社会貢献活動-社員ボランティア2020をレガシーに-」

⇒部署の同僚だけと付き合っている、いわゆる「会社人間」と、社外でボランティア活動を行う人には、キャリア形成における大きな違いがありそうだ。

・仕事では、ある特定の組織では優秀だった人が、転職や異動によって、違う組織に移ると全く力が発揮できないということが起こる。
新たな組織の人間関係ややり方になじめないことが、その大きな原因だ。
一方、ボランティア活動にたけた人は、多様なメンバーの中で人間関係をつくり、目的を達成するという、組織に寄らない再現性のある力を有している。
どのような環境でも仲間をつくり、物事を進められるという経験や自信は、キャリア形成における自己効力感につながるだろう。
キャリア形成における自己効力感が高い人ほど、明るいキャリア展望を持つことができるのは自明である。

・ボランティアには金銭的な報酬とは異なる報酬がある。それは、他者との心の通った関わりや、活動を通じて得た仲間、自分らしい役割の発揮や普段は得られない気づきなど人それぞれである。
中でも、人とのつながりをあげる人は多く、実際、ボランティアを長く続けている人たちは仲間づくりがうまい。
金銭というわかりやすい対価がない分、活動の内容や取り組んでいる自分たちに対する共感をカギに、活動を発展させていくからだろう。

・社員のプライベートの充実は、本業の仕事にもよい影響があるとの調査結果も存在する。
社外活動を積極的に行っている管理職は、そうではない管理職に比べ、社外活動が本業に生きると考える割合が2割も高い(図表8)。

出典:同上

・ボランティアを通じて得られることを、参加前に正確に予想することは難しく、予期せぬ手応えを得ることが多いということである。
これは、他者のための行為であるボランティアは、他者との関わり方によって、活動を通じて得るものに大きな差が生まれることによる。
だからこそ、「まずは経験してみてほしい」「誘ったり、参加を促したりは重要」との意見が多かった。


以上の要点から、「ボランティアは、社会貢献の観点のみならず、自身のキャリアにも良い影響を及ぼし得る」ことが伺えます。
肩書や役職が通用しない、全員が対等の関係という世界の中で、周りと協力・調整しながら、自分がどのような貢献ができるかを探り、一定の成果を求めていく…。
想像しただけでも、総合的な「生きる力」「人間力」が鍛えられそうですよね。

さらに、次のような新聞記事もありました。

「管理職こそ社外活動 ボランティアやNPO支援」
ボランティアや地域活動など、社外活動に力を入れる管理職が増えてきた。
働き方改革が叫ばれ、自らの成長や充実感を社外活動に求めている。
社外でも充実した姿を見せる上司は若手社員の支持を集め、同僚や部下に 刺激を与えている。
(中略)
リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所の古野庸一所長は、 「人生100年時代、社外のコミュニティーの大切さは若い人ほど感じている。 上司が社外でも活躍する『ボス充』は、職場でも共感を呼ぶ」と分析する。

(2019年3月29日 日本経済新聞 夕刊より一部抜粋)

管理職が率先垂範で社外貢献活動に従事する姿を見て、若い人の意識にプラスに働く。
そして、社内に社会貢献の輪が広まるという好循環のサイクルができる。
これは、肌感でも、イメージできますね。

当社でも、微力ではございますが、地域のボランティア活動に参加をさせていただいております。
・野川クリーンアップ作戦(清掃活動)
・野川桜ライトアップイベント(器材設営補助、清掃、警備など)

これらの活動に、自ら率先して参加されている、トランクルーム部の高橋部長に声を聞いてみました。

トランクルーム部部長 高橋

Q.ボランティア活動に参加してみて、どのような気付きがありましたか?
A.単純に、イベントに関わっている人の多さにびっくりしました。
そのうちの一人になって初めて気づきました。
更に言うと地域のイベントはまだまだ人手不足。
もっと若い人へのアプローチをしていって盛り上がってければいいなと。
若い頃って「ボランティア=金と時間が有る人がやるもの」みたいな印象ありましたけど、人との関わりとか感謝されることそのものが報酬というか。
素直にそう感じられるようになりました。

Q.周りの社員にひと言お願いします!
A.「仕事しかできない人」ってかっこ悪いから色んなことに首突っ込んで、
自分の知らない扉を開け続けてほしい
ですね、遊びも仕事も。

かくいう著者の私も、2011年の東日本大震災の清掃ボランティアに参加した経験があります。
ライフラインが寸断された状況の中、人間の弱さ、営みの儚さなどを実感すると同時に、それでも強く生きようとする人々の姿を目の当たりにして、多くのものを感じました。
文章では表現しきれませんが、「誰のための、何のための人生(仕事)なのか?」と、日々の時間の過ごし方も、大きく変わってきたのは間違いありません。


参加してみて良かった。でもその良さは、参加してみないと分からないし、その評価は十人十色
それが、ボランティア活動の魅力なのかもしれません。
ぜひ皆さんも、積極的にボランティア活動に参加してみてください。
学生の方であれば、比較的時間の確保できるであろう学生のうちに、まずは小さな一歩からでも、踏み出してみてください。

ボランティア支援に積極的に取り組んでいる(≒CSR活動に積極的な)会社、という視点で就職活動をするのも良いかもしれませんね。
本記事をきっかけに、ボランティア活動を少しでもポジティブに捉えていただければ幸いです!

ABOUTこの記事をかいた人

築山祐介 つきやまゆうすけ

㈱調布みつぎ不動産研究所 経営管理部 兼 新卒採用担当。大手外食チェーン店舗勤務、大手学習塾教室長・本部総務職を経て、2017年より現職。 当「調布みつぎ 新卒採用ブログ」を立ち上げ、主に大学生の就活や企業研究に役立つ情報を発信中。人材育成・他者成長支援・地域貢献がライフワーク。趣味:国内旅行、街歩き、スポーツ(サッカー・野球など)。宅地建物取引士、キャリアコンサルタント。趣味が高じて「国内旅行業務取扱管理者」資格も学生時代に取得。